オンプレミスとは?クラウドとの違い、メリットや導入方法解説
MDM(モバイルデバイス管理)市場は、クラウド型とオンプレミス型に分けられます。「MDM Market Growth Statistics 2023-2029」によると、クラウド型MDMがIT大手企業(マイクロソフトとシトリックスとしましょう)の連携で成長の勢いを見せている時に、それに負けじとオンプレミス型MDM市場も著しく成長すると見込まれています。
クラウド型ほど規模は大きくありませんが、オンプレミス型MDMが優れていないわけではありません。 それどころか、オンプレミスの方がより安全であり、大企業や政府機関でも好ましい選択肢となっています。
1オンプレミスとは?
オンプレミスとは、オンプレミス型モバイルデバイス管理で、モバイル端末を中央システムで管理し、すべてのデータを組織内のサーバーで管理するアプローチです。MDMソリューションとの違いはありませんが、IT管理者はセルフホスト型の展開方法を使用することで、堅牢なデータ保護対策を構築することを可能にします。
このソリューションにより、企業はスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、その他の電子機器などのデバイスをリモートで制御し、ルールを設定することができます。例えば、ネットワークブロックポリシーは、企業データの盗難や悪意のあるウイルスのリスクを低減するのに役立ちます。 オンプレミス型MDMは、社内のインフラでデータの安全性を確保したい企業にとって理想的なソリューションです。
2オンプレミス型MDMとクラウド型の違いは?
オンプレミス型MDM | クラウド型MDM | |
---|---|---|
データバックアップ | ローカルサーバー | 第三者クラウドサービスプロバイダー |
セキュリティ | 内部アクセスのみ | クラウドMDMへの外部アクセス |
インストール | インターネットのない社内インフラに設置 | 対象端末にインストール、またはインターネット経由でWebブラウザを利用 |
コスト | ハードウェア設備とオンプレミス型MDMソフトウェアライセンス | クラウド型MDMソフトウェアのみ |
どんなソフトウェアもデータを生成しますが、モバイルデバイス管理も例外ではありません。管理プロセスにおいて、端末情報、ユーザー(従業員)情報、重要な社内文書が流出する可能性があります。それらをどこに保管するかが、オンプレミス型MDMとクラウド型MDMの違いになります。
オンプレミス型MDMは、ローカルサーバーに統合されるため、社内の機構とみなすことができます。デバイス管理に関するデータはすべて自社のデータセンターに保存されます。
前者とは異なり、クラウド型MDMはMDM SaaSを適用する企業とデータを共有します。この情報はクラウドMDMソフトウェアによって収集され、保存されます。 場合によっては、MDMソフトウェアが利用するサードパーティのクラウドサービスプロバイダーが収集に関与することもあります。
データバックアップの場所による違いは他にもあります。セキュリティもその一つです。
データは完全に内部環境に保管されるため、オンプレミス型MDMはクラウド型MDMよりもデータへのアクセスを制御しやすくなります。ITチームは悪意のある脅威に対処するフェンスを構築することができ、さらに社外で発生する突発的な情報漏洩を心配する必要はありません。
クラウド型MDMの場合、データはサードパーティのソフトウェアに引き渡されて処理されるため、データのセキュリティが100%保証されるわけではありません。外部からのアクセスを許可することは、いずれにせよリスクが高いのです。
オンプレミス型MDMは、クラウド型MDMに比べ、データのホスティングやインストールを行う設備が必要なため、コスト面ではクラウド型MDMよりも高くなります。したがって、MDMソリューションに加えて、それを順調に利用するためのハードウェアや機器を購入する必要もあります。一方、クラウド型MDMはパッケージ料金だけで済みます。
また、導入方法にも違いがあります。パッケージに通じて、ITチームはインターネットを介さずにオンプレミスでモバイルデバイス管理を社内システムに導入することができます。クラウド型モバイルデバイス管理は、ネットワークに依存してユーザーをソフトウェアに接続します。
3オンプレミス型の強みは何ですか? それを選択する理由
企業は、オンプレミス型MDMが自社の業務ニーズに適しているのか、同様にクラウド型MDMの方がより適切なのかを判断する必要があります。それぞれのメリットとデメリットを理解することは、決断を下すのに役立ちます。
オンプレミス型MDM | クラウド型MDM | |
---|---|---|
メリット | ● データ管理の向上 ● より多くのカスタマイズオプション ● セキュリティ対策の制約が少ない ● ネットワークを経由せずにデータに簡単アクセス ● 低遅延 | ● 導入がより簡単 ● より柔軟なスケールダウン ● 設備投資が少ない |
デメリット | ● 初期費用が高い ● メンテナンスへの投資が高い ● プロのITスタッフが必要 | ● セキュリティとプライバシーに関する問題が多発 ● 互換性の問題が多い |
クラウド型MDMと比べ、オンプレミス型MDMの最大のメリットは、より高いレベルのセキュリティです。
従来のSaaSソリューションでは、アプリケーションやシステムはリモートサーバーに保存され、インターネット経由でアクセスします。これに対してオンプレミスソリューションは、すべてのデータを組織内のローカルサーバーに保存します。これにより、データ漏えいのリスクが大幅に軽減され、アプリケーションとシステムの利用がプライベートかつセキュアに保たれます。オンプレミス型MDMは、医療、銀行、金融サービス、保険業界で最も一般的に使用されています。
オンプレミス型MDMソリューションでは、データを保護するためのファイアウォールや機能を設定するためのツールなど、ニーズに応じてシステムをカスタマイズすることができます。これにより、ITチームはより多くのリソースを利用できるようになり、ソフトウェア環境をよりコントロールしやすくなります。
オンプレミス型MDMソリューションが企業にとって良い選択かどうかは、組織の規模、予算、セキュリティ要件、IT専門知識のレベルなどの要因によって決まります。
より簡単でコストが低いクラウド型モバイルデバイス管理ソリューションではなく、制御、所有権、セキュリティを求める企業にとって、オンプレミス型MDMソリューションが良い選択かもしれません。
クラウド型モバイルデバイス管理ソリューションは、オンプレミス型MDMと比較して、プロバイダとユーザー間の信頼関係が不可欠です。
4オンプレミスでモバイルデバイス管理を導入するには?
モバイルデバイスの管理は企業にとってますます重要になっています。では、どのようにオンプレミス型MDMソリューションを利用するのでしょうか?ここでは、柔軟な導入オプションとプライベートクラウドと統合されたPVEシステムをサポートするAndroid MDMソフトウェアであるAirDroid Businessを例として挙げます。
- Step 1.ハードウェアの事前準備
- オンプレミス MDM を導入する前に、適切なハードウェアを用意する必要があります。Proxmox VEサーバを実行するには、少なくともCPUコアが2個、RAMが4GB、ストレージが10GB必要です。さらに、MDMソリューションにアクセスするためには、サーバーがアクティブなインターネット接続を持っている必要があります。
- Step 2.Proxmox VEサーバの準備
- 必要なハードウェアが揃っていることを確認したら、Proxmox VEのダウンロードとインストールを開始しましょう。まず Proxmox VE のインストールイメージをダウンロードし、Proxmox の Web サイトの指示に従ってサーバーにインストールします。
- Proxmox VE サーバーにMDMを導入する前に、サーバーが適切にセットアップおよび構成されていることを確認する必要があります。これには、ネットワークとセキュリティ設定の設定、および仮想マシン(VM)が正しく機能していることの確認が含まれます。
- Step 3.MDMソリューションのインストールと構成
- 次に、Proxmox VEサーバ上でMDMソリューションを設定する必要があります。ご利用の MDMソリューションによっては、追加のパッケージをインストールしたり、特定の設定を行う必要があります。これには、サーバーの設定、認証設定の構成、MDMサーバーとProxmox VEサーバーの接続が含まれます。
- Step 4.デバイスをMDMソリューションに登録
- MDM構成が完了したら、管理対象のデバイスを配置する準備が整いました。
- その後、MDM管理コンソールを使用してこれらのデバイスを管理できます。これで、ポリシーの設定、ソフトウェア更新の管理、デバイスの使用状況の監視を行うことで、モバイル フリートの安全性と準拠性を確保し、MDMポリシーが確実に適用および更新されるようにすることができます。
AirDroid Business - すべての機能を14日間無料で利用可能
- リモートで様々なエンドポイントを制御可能
- 柔軟な導入方法
- MDMポリシー
- Androidキオスクモード
- アプリ管理(managed Google Playストアをサポート)
- ジオフェンシング
- アラートとワークフロー
- ファイル管理
結論
オンプレミスソリューションは、セキュリティを強化すると同時に、カスタムアプリケーションの機能をより制御しやすくします。しかし、企業は、オンプレミスのハードウェアとソフトウェアのソリューションを構築し、維持するコストとメリットも考慮する必要があります。慎重に検討し、適切な計画を立てることで、オンプレミス型MDMソリューションは、モバイル・デバイス管理をよりコントロールし、セキュリティとカスタマイズ性を高めることができます。
よくあるご質問
オンプレミス型MDMソリューションを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
1.セキュリティ:データの安全性とセキュリティを確保するために、ベンダーが提供するセキュリティ機能と手順を必ず確認してください。
2. 使いやすさ:セットアップと使用が簡単なオンプレミス型MDMソリューションを選択することが重要です。ユーザーフレンドリーなインターフェイスを備え、直感的に使用できるものがおすすめです。
3. サポート:ベンダーがソリューションに対して十分なサポートを提供しているとのこと。オンプレミス型MDMソリューションが順調に稼働するよう、カスタマーサービスや技術サポートを提供しているベンダーを選択しましょう。
4. 価格:異なるベンダーの価格と機能を比較し、価格に見合ったソリューションを選択しましょう。適切なオンプレミス MDM ソリューションを選択することは、大変な作業ですが、時間をかけてこれらの注意点を確認することで、あなたのビジネスに最適なソリューションを選択することができます。
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