Androidのプロビジョニングモードとは？

プロビジョニングモードAndroidを使用すると、企業は自らの管理のもとにAndroidデバイスをセットアップできます。これにより、問題のあるデバイスをリモートでモニターおよびコントロールできます。コントロール範囲はプロビジョニング方法の有効なポリシーによって異なる場合があります。

Android5以降のバージョンにはプロビジョニングモードがあり、Android MDMテクノロジーを使用してプロビジョニングデバイスにすることができます。これは、個人用デバイスだけでなく業務専用デバイスでも機能します。

プロビジョニングモードにはさまざまな方法でアクセスできます。QRコード方式、NFCタグ、EMMコード設定などは、よく使われています。また、管理対象デバイスを従業員に一括配布するゼロタッチ方式もあります。この記事では、Android プロビジョニングの仕組み、設定方法、およびセットアップ中に起きる一般的な問題について説明します。

1 Androidのプロビジョニングモードとは?

Androidオペレーティングシステムは、タブレット、スマートフォン、その他のデバイス向けの人気のオープンソースOSです。Linuxカーネルエンジンとアクセス性の高いオープンソースソフトウェアを使用しています。Android OSの柔軟性により、プロビジョニングモードは非常に実用的です。

Android OSは入手とカスタマイズが簡単で、類似の製品よりも大幅に安価です。そのため、管理対象デバイスを作成するのにAndroidプロビジョニングを使用するのが現実的なのです。プロビジョニングモードでは、ユーザーは他の登録済みデバイスをある程度コントロールやモニターすることができます。

IT管理者はプロビジョニングモードを使用して従業員のデバイスに業務用プロファイルを割り当てることができます。そうすると、アプリ、データ、その他の作業プロファイルをモニターして作業効率を最適化できます。Android MDMでは、仕事用プロファイルとユーザーの通常のプロファイルが大きく分かれています。したがって、このプロセスはユーザーのプライバシーを侵害しません。

これらの機能はすべて、デバイス設定だけからしかアクセスできません。プロビジョニングモードにアクセスするには、Androidデバイスの初期設定時にいずれかのプロビジョニング方法を入力します。方法には、DPC、QRコード、ゼロタッチ、NFCタグのほか、Zebra Stage Now、Samsung Knoxなどのブランド固有の方法があります。

2 Androidデバイスではどのような場合にプロビジョニングモードを使用すべき？

モバイルデバイスのプロビジョニングモードにアクセスできるのはデバイスの初期設定の時だけです。手順は選択した方法によって異なります。

1 新しいユーザープロファイルの追加

Android MDMで管理者プロファイルを設定した後に新しいデバイスを追加するには 2 つの方法があります。管理デバイスの QR コード、EMMコード、または NFC タグを使用して、他のデバイスを登録できます。

もう1つの方法は、サポートされている通信事業者またはリセラーからプロビジョニング済みデバイスを購入することです。その後、これらのデバイスを従業員に直接渡すことができます。従業員がデバイスの電源を入れてセットアップを完了すると、新しいユーザープロファイルが得られます。

2 企業デバイスの導入

企業デバイスの導入には、次の手順が必要です。

• Step 1: 現在の環境とポリシーを分析します。エンタープライズデバイスはこれらをベースにしています。
• Step 2: 次に、分析結果をもとに、プロビジョニングデバイスの Androidエンタープライズ機能をすべて要約する必要があります。
• Step 3: EMMと連携して概念実証を実施しましょう。これにより、理論をテストし、理論に生じたあらゆるねじれを解消できます。
• Step 4: エンタープライズデバイスを登録します。

3 デバイスのリセット

デバイスをリセットすると、そのデバイスに関連付けられているプロビジョニングアカウントを削除できます。ほとんどの場合、アカウントマネージャーからプロビジョニングアカウントを手動で削除することでこれを行うことができます。ただし、機能しない場合は、デバイスを工場出荷時の状態にリセットする必要があります。

工場出荷時の状態にリセットすると、すべての個人データと業務用データが削除されます。そのため、バックアップは必ず別のストレージに保存しておいてください。その後、セットアップウィザードを実行してプロビジョニングを再開できます。

3 Androidプロビジョニングモードのメリット

効率性とコンプライアンス基準

多くの業界では、データ管理に関する特定のコンプライアンス基準があります。市販のデバイスには必要なプロトコルや機能がないため、これらにアクセスするのは難しい場合があります。プロビジョニングされたデバイスを使用すると、業界の規制に合わせてマシンを再構成できます。

また、IT管理コストを削減することで、職場の効率も向上します。コマンドチェーン全体を1つのダッシュボードから管理できます。

セキュリティ

Androidをプロビジョニングする主な理由の1つは、セキュリティの強化です。MDMは、業界標準のデータ保護を通じて業務と個人情報を保護するのに役立ちます。また、盗まれたデバイスから機密データをリモートで消去することもできます。

4 Androidプロビジョニングに関する問題

Androidのプロビジョニングは進化中の機能ですが、まだいくつかのバグがあります。既知の問題の多くは新しいバージョンで修正されますが、ときどき問題が発生することがあります。しかし、多くのケースは実際にはエンドユーザーによって引き起こされています。Androidプロビジョニングモードで多くの人が経験する問題を次に示します。

1) デバイスは現在プロビジョニングモードではありません

一部のデバイスは、再起動するとプロビジョニングモードを失います。すると「デバイスは現在プロビジョニングモードではありません。」という警告が表示されます。この問題は、セットアップウィザードを使用してモバイルデバイスのプロビジョニングを手動で再度有効にすることで解決できます。

2) プロビジョニングプロセスで行き詰まる

Androidデバイスがプロビジョニングプロセス（通常はセットアップウィザード）で動かなくなることがあります。これは、新しいユーザープロファイルを登録しようとしたり、新しいデバイスをインストールしたりした場合に発生する可能性があります。

これが発生する主な理由は、お使いのデバイスがプロビジョニングの方法に対応していないことです。MDM ロファイルが正しく設定されていないことが原因の場合もあります。

3) プロビジョニングモード中に構成された設定をデバイスが保存しないことがある

Androidデバイスでプロビジョニングモードの設定が保存されないのは、ポリシーに必要な機能がない場合によく発生する問題です。問題の原因となっている可能性のある矛盾がないか、ポリシーを再確認する必要があります。この API を使用して、問題の原因を確認してください。

4) 新しいユーザープロファイルを追加できない

MDMに新しいユーザープロファイルを追加できず、新しく接続したデバイスが何も実行しなくなるという問題が発生することがあります。このようなケースは、2つの理由で発生する可能性があります。1つ目の理由は、デバイスポリシーが無効であることです。有効なポリシーなしでデバイスをインストールすると、そのデバイスは隔離されます。

もう1つの問題は、お使いのデバイスのバージョンがプロビジョニングモードと互換性がないことかもしれません。一部のデバイスでは、ソフトウェアの非互換性が原因で特定のプロビジョニングモードがブロックされます。